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企画展

お正月特別企画「我らが加賀獅子頭」展

2014/1/5(日) 3/30(日)

会 期:2014年1月5日(日) - 3月30 日(日)
展示室:1F エントランスホール展示スペース
作品数:26点
協 力:知田工房、玉作榮一、白山市立博物館、河北郡津幡町庄区、木越町獅子舞保存会、松任獅子舞連盟石同新町獅子舞保存会、東町獅子舞保存会、部入道町会、寄新保町町会、白山市/鶴来下東町、鶴来清沢町、鶴来今町、鶴来新町、鶴来上東町、鶴来本町一丁目、鶴来本町二・三・四丁目、鶴来古町、鶴来大国町、鶴来水戸町、鶴来大国西町
協賛:日本通運

石川県の希少伝統工芸である加賀獅子頭の作り手は、県内にただ1軒、知田工房を残すのみとなっています。獅子頭の制作には様々な職人さんがかかわっていますが、真鍮の目と歯や補強用の鉄金具、面部の皮張、また、たてがみ部の馬の毛などにはもはやそれ専門の職人さんが姿を消しつつあります。『これ作っといて』とお願いしに行っても『じいちゃんが亡くなったんで、もうできん』と言われることが多くなってきた」という話しを聞くと、技術の継承がなされぬまま、昔はどのように作っていたのかが徐々に、しかし確実にわからなくなってきている現状が浮かび上がってきます。
本企画展では、特に複数の職人がかかわる制作工程に焦点を当て、完成までの全工程を詳しく紹介すると共に、2013年限りで大型の蚊帳の制作をやめてしまわれる玉作榮一氏の長さ10mにも及ぶ手描きの蚊帳や県内19の町会からお借りした貴重な獅子頭13点も展示いたします。工芸館で加賀獅子頭を取り上げるのは初めてであり、この機会に獅子頭の制作についての現状を知って頂くとともに、その制作についても理解を深めて頂ければ幸いです。

<木彫加賀獅子頭の由来>

初代加賀藩主前田利家公が、金沢城に入城した時に盛大に行われたお祝いの獅子舞は、それ以後の隠れた武芸奨励策として盛んになりました。獅子頭も各町に一基守護神として大切に保存された町の誇りでもあり、現在でも沢山の町会で祭礼に獅子舞を見ることができます。
また獅子頭は災難をくいとめ、一声で万物を畏服すると云われており、魔除、厄除けの守り神として床の間や玄関などに飾られたり、縁起物としてお正月やお祭りの飾りは勿論、各種の御祝(新築・結婚・出産・節句・など)に用いられ縁起の良い置物として年間を通して親しまれています。

知田工房 房主 知田清雲

<知田清雲プロフィール(初代)>

昭和8年(1933)、石川県の九谷焼の里寺井町に生まれ、桐の産地鶴来町で育つ。17歳で、桐箱を作る仕事をしていて、箱に納める獅子頭に心奪われ、問屋のつてをたどり、加賀獅子頭の名匠、林香堂氏に学ぶ。以来この道一筋に技法を追究、約60年に及ぶ。
<知田善博プロフィール(2代目)>

昭和37年(1962)、石川県鶴来町に清雲の長男として生まれる。高校卒業後、金沢の彫刻家、今英男氏の元で7年修業。その後は清雲のもとで共に獅子頭を制作し、跡を継ぐべく努力を重ねている。獅子作りを天職と考え、古い獅子頭の修理を通して先人の技術を学ぼうと努力している。
<知田工房>

木彫による獅子頭を専門に制作している石川県で唯一の工房。白山市の山沿い、八幡町で親子2代にわたり、県内の獅子頭はもちろん、全国の様々な獅子頭を手がけている。また、古い獅子頭の復元や修理も行っている。東日本大震災で失われた石巻市の獅子頭の再建も手掛けている。小さな根付から、飾り用・祭り用・獅子舞用・神輿用まで様々な獅子頭を制作している。

◆ 併催プログラム

知田善博さん、加賀獅子頭を語る

親子2代にわたって加賀獅子頭の制作に携わってきた知田工房2代目・知田善博さんが、展示されている実物を見ながら加賀獅子頭について教えてくれます。又、制作にかかわる興味深い説明や獅子頭の動かし方を実際に見せてくれます。この機会にぜひ加賀獅子頭についてもっと知ってみましょう。

日時:2014年3月8日(土) 13:30-14:00
場所:工芸館1F
講師:知田善博さん
参加:無料
予約:不要です。直接工芸館へお越し下さい。