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2016年

石川県立九谷焼技術研修所 デザイン支援事業 「進化する九谷」

石川県立九谷焼技術研修所が2005年から行っているデザイン支援事業の過去10年間の成果を、参加者の作品を通して紹介することを目的とした企画展です。
通常はうかがい知れない制作の過程を目に見える形で紹介するために、今回の企画展では、完成作品をご覧頂くだけでなく、完成に至るまでのそれぞれの作り手の試行錯誤が見てとれるよう、試作品やテストピース、デザイン画やアイディアノートなどを併せて展示しています。
作り手の思いや制作工程をぜひ追体験なさって下さい。

<出展者メッセージ>

皆様が もっていらっしゃる九谷焼のイメージはどのようなものでしょうか?
この展示会では"九谷焼でこんなモノがあるんだなぁ"という、イメージが変わる様なモノをご紹介させて頂きたいと思います。
九谷焼は約360年前に誕生し、謎の廃窯から100年後「再興九谷」として
個性を競うようになりました。
その技術と精神は現代九谷へと受け継がれ、このデザイン支援事業にも息づいています。
このような取り組みから、これらの九谷焼を支えていく人材と、多くの「進化した(する)九谷」が誕生しています。
今回、作品とともに展示している資料は、出展者のものづくりに対する熱意と完成までの道のりを表したものです。
皆様には、モノづくりの舞台裏をご覧頂くことで、九谷焼にもう一歩近づいていただければ幸いに存じます。
(石川県立九谷焼技術研修所長 松島 一富)

<デザイン支援事業について>
  1. 事業の目的
    石川県立九谷焼技術研修所の卒業生、九谷焼技術者自立支援工房 個室入居者や九谷焼業界の方々を対象に、作品や商品の技術・デザインの向上を目的に行うものです。
  2. 事業の内容
    研修所講師である伊藤慶二先生、山村真一先生が中心になり、年6回、グループ検討を重ね、作品を磨きあげていきます。
    検討会では、各先生からの指導はもちろん、毎回、受講者同士の活発な意見交換が交わされ、受講者自身も大きな刺激になっています。
    平成17年度から行っており、これまでの10年間で53名が受講しました。
    受講年度には制限がなく、中には10年間継続する方もいました。

2016.02.01 Traditional Art & Craft of Ishikawa

工芸館企画展 「万年筆という小宇宙」

蒔絵・沈金万年筆のコレクター・守作 滋さん所有の万年筆30点と村田百川さん所有の蒔絵太軸万年筆2本の計32本を、ガラス作家・猪野屋牧子さんが今回の展示用に制作してくれたガラスの什器でご覧頂きます。
蒔絵や沈金の加飾が施されていても、物を書く道具として制作された万年筆。
美しいものを使う喜びからコレクションを始めたコレクター・守作さんの「使ってこそ」という思いを伝える企画展です。

<出展者メッセージ>

もともと文房具にはこだわりを持っていた私がコレクションを始めたきっかけは、あるテレビ番組で蒔絵万年筆の存在を知り、1本ぐらい持っていてもいいだろうと思ったことでした。
ところが、調べてみると一流といえるような蒔絵師、沈金師、それも石川県在住の方の手によるものが多いことがわかり、のめりこんでしまったのです。
文字を書く道具は色々ありますが、その中でも、万年筆は特別な存在とされ、多くの文豪が愛用の万年筆をもっていたことが知られています。
文字通り長く使い続けることができるからでしょう。
西欧にも装飾に凝った万年筆は多く存在しますが、蒔絵・沈金万年筆ほど手間をかけて作られた万年筆は西欧にはほとんど存在しません。
しかも、石川県内でも一流といわれる作家・職人、とうことは世界でも一流の作り手による万年筆なのです。
私は蒔絵・沈金万年筆は世界最高の万年筆だと思っています。
私が蒔絵・沈金万年筆にインクを入れて使っていると、ほとんどの人が「もったいない」といいます。確かにそうかもしれません。
漆は丈夫なものなので、使っても傷む心配はほとんどありませんが、やはり使えば目に見えない細かな傷はつくでしょう。
しかし、万年筆なのです。額に入れて大切に飾っておくなら、パネルや絵で十分です。
インクを入れて使ってこその万年筆です。蒔絵・沈金万年筆を一度使ってみてください。
文字を書いていて、ふと息を抜く。そのとき、手の中に美術品ともいえる小宇宙があるのです。
愛らしい小動物、あるいは美しい花々。じっと見入って気を休めるのです。
文字を書く時間が至福のひと時になります。
後に一言。今回は展示だけですが、本当は試筆してほしいと思っています。
万年筆は繊細な筆記具で、買ったそのままでは書き心地がよくないことがあります。
しかし、ペンドクターといわれるペン先職人に調整してもらうと、とても書き心地がよくなるのです。私の万年筆はすべて私の書き癖に合わせてペンドクターに調整してもらってあります。
見た目が美しいだけではなく、筆記具としての万年筆としても最高の調整がしてあるのです。
機会がありましたら、私の万年筆で試し書きしていただけたら、と思っています。
この展示を通して、蒔絵・沈金万年筆の魅力をご堪能いただければ幸いです。
(蒔絵・沈金万年筆コレクター・守作 滋)

2016.02.01 Traditional Art & Craft of Ishikawa

工芸館交流展シリーズ 「くまもと・いぐさの魅力」

いぐさと言えば岡山のイメージが強いですが、熊本では国内のいぐさの98%を生産しています。
日本の風土に合っているいぐさではありますが、素材としてはまだまだ有効に活用されているとは言い難いのではないでしょうか。
この古くからあるにもかかわらず、まだ十分にその可能性が引き出されていない「いぐさ」の魅力について広く知って頂くと同時に、生活の中で使える新しい商品を提案したいと思います。

今回の展示では、実際に使っている場面をイメージできるよう「部屋仕立て」にして作品を展示。
① ダイニングキッチン ② リビングルーム ③ 応接スペース ④ ベットルームの4部屋を想定し、なるべく使い手が面白いと思う作品を中心に、今まであったいぐさの作品・商品とは違うものや消費者の持ついぐさのイメージとは異なったものを織り交ぜてご覧頂きます。
今の生活スタイルに合った、使いたいと思ってもらえるものを、 素材としてのいぐさやその特性、また生産工程と共に紹介しています。

<出展者メッセージ>

「くまもとのいぐさの魅力」展にようこそ!
早速ですが皆さん、熊本県のい草生産量は国内№1!であることをご存知でしょうか。
実は、国内産い草の約98%が熊本で作られ、そのほとんどは県南の八代地方で作られています。
生産されたい草は主に畳表の材料に使われていますが、最近は、生活様式の変化などから洋間が増え、一方で外国産のい草が輸入されることもあり、国内産の畳表の需要もかなり減少してきています。今回この企画展では、皆さんがい草といえばイメージする畳表と畳以外にも、現代のライフスタイルに合わせた最新のい草工芸をご紹介します。
毎日の暮らしの中に、今までとは違う形でい草が身近なものになれば嬉しく思います。
真新しい畳の上にゴロンと横になり深呼吸すれば、まるで森の中にいるような緑の香りがします。
日本人にはなじみ深いい草の香り、もしこの香りを忘れている方がいらしたら、この会場で深~く息を吸ってみてください。きっと、懐かしい新緑の香りを体験できると思います。
(一般財団法人熊本県伝統工芸館・館長 福島 淳)

2016.02.01 Traditional Art & Craft of Ishikawa