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2012年

お正月特別企画「ちはやふる・・・江戸から平成へ・百人一首とかるた 」展

会 期:
2012年1月4日(水)- 1月31日(火)
展示室:
1F エントランスホール展示スペース
作品数:
23点


お正月の遊びと言えば、かつては「かるた」や「双六」でした。そして、かるたと言えば真っ先に思い浮かぶのは「小倉百人一首」ではないでしょうか。「小倉百人一首」は13世紀の初めに藤原定家が100人の歌人の優れた和歌を1首ずつ選んだ私撰和歌集だと言われています。その後、百人一首は、平安時代の貴族達の遊び「貝覆い(おおい)」にそのルーツを持つかるたと結び付き、上流階級の遊びとなりましたが、16世紀になってポルトガルから伝えられた「カルタ」や木版画の技術の普及により絵入りの歌がるたの形態で広く庶民に広まりました。
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<展示かるたの紹介>
  作品名   作品名
1、 肉筆彩色画百人一首(江戸後期) 13、 武井武雄幼児標準かるた
2、 墨刷手彩色百人一首(江戸後期製) 14、 川上澄生四季のたのしみ西洋骨牌
3、 字だけの百人一首(江戸後期)墨字 15、 郷土玩具いろは木版歌留多
4、 小倉山百人一首(大正~昭和) 16、 宮澤賢治木版歌留多
5、 額入・百人一首(18世紀後期) 17、 正楽寄席かるた
6、 昭和初期板かるた 18、 上毛かるた(英語版)
7、 陽明文庫旧蔵百人一首 19、 きりえ一茶かるた
8、 田村将軍堂製 光琳かるた 20、 ウンスンカルタ
9、 和蘭カルタ 22、 和英ことわざカルタ丸第1集
10、 手摺 江戸いろはかるた 22、 和英ことわざカルタ丸第2集
11、 武井武雄上方いろはかるた 23、 Sushi Bar
12、 武井武雄犬ぼう    


<「Myかるた」ワークショップ >

自分の文章に自分の絵をつけた世界で1つだけのかるたを作ってみませんか。文章の アイディアや絵の図柄を考えて心のこもった作品を作ってみましょう。お父さん・お 母さんには子供と一緒に遊べるかるたを、お子さんにはお友達と遊べるかるたを、山 田菜穂子さんの丁寧な指導で、自分だけのかるた作りに挑戦してみましょう!

日時: 1月15日(日)  14:00-16:00
場所: 工芸館1F
参加: ¥200(材料費)
予約: 必要ありません。直接工芸館へお越し下さい。

2012.01.04 Traditional Art & Craft of Ishikawa

「ブツ、ブツ、ブツ、ブツ、ブツダン」展

仏壇の制作には、伝統工芸の様々な技術が使われており、その制作は総合芸術と言っ ても過言ではないでしょう。誰もがいつかはお世話になる仏壇、にもかかわらずあま りよく知られていないこの工芸品を、普段はあまり見る機会のない方々に見て・知って頂きたいと思います。

会期:
2012年2月3日(金)- 2012年3月28日(水)
展示室:
1F エントランスホール展示スペース、2F 第4展示室
作品数:
24点

今回の企画展では、若い世代の方々にも興味を持ってもらえるよう、従来の堅い仏壇 のイメージを払拭するようなタイトルとスタイルで様々な金沢仏壇をご覧頂きます。 ぜひ普段「え、仏壇?」と思っている方々にこそ足を運んで頂きたいと思います。
1Fでは、伝統的な金沢仏壇12点を、2Fでは新デザインの金沢仏壇・厨子12点を 展示し、制作工程と共に紹介しています。石川県の伝統工芸の粋をゆっくりとご覧下さい。

体験とご相談
企画展会期中のすべての土・日曜日には、出展者による蒔絵と箔押しの体験が行われます。
また、来館者の方々の仏壇に関する様々なご質問に答えられるよう、出展者が展示会場に常駐致します。(土・日のみ)仏壇についてのご相談・疑問がある方々はぜひ工芸館へお越し下さい。

体験の日程:時間は各回共通で、午前は10:00-12:00、午後は13:00-15:00です。
体験料は各回共通で、1回¥1,000です。予約は必要ありませんので、直接工芸館へお越し下さい。                  
2月 体験日 プログラム 3月 体験日 プログラム
2月4日(土) 箔押し 3月3日(土)箔押し
2月5日(日) 蒔絵 3月4日(日)蒔絵
2月11日(土) 蒔絵 3月10日(土)蒔絵
2月12日(日) 箔押し 3月11日(日)箔押し
2月18日(土) 箔押し 3月17日(土)箔押し
2月19日(日) 蒔絵 3月18日(日)箔押し
2月25日(土) 未定 3月20日(火祝)蒔絵
2月26日(日) 箔押し 3月24日(土)箔押し
3月25日(日)箔押し


出展者のコメント

● 池田典明((株)池田大仏堂)
室町文化を今に伝えて金沢の地において160年余年。創業嘉永三年(1850年)伝統的工芸品金沢仏壇・仏具製造販売 池田大仏堂です。初代は仏壇木地・宮殿を製造する職人で、2代目より金沢仏壇・仏具を商いし、現在は6代目が事業継承しています。金沢仏壇は伝統工芸品の集大成といわれています。経済産業省指定の伝統的工芸品からライフスタイルに合った新型の仏壇・各宗派の仏壇など多彩な仏壇を製作しております。歴史に甘えることなく、「日々精進」を家訓に伝統からの創造をめざし日々研鑽、努力しています。

● 卯野信彦(卯野屋仏壇店)
近年、仏壇の製造販売に携わる私共はまさに苦渋に満ちた状況にあると思われます。新築住宅にいたっては仏間もなく、マンション、アパート等も増え、仏壇も小型化、金額も安価になりつつあります。また宗教への信仰心も希薄化し、「心の中で参れば充分」「仏壇ではなく箱で良い」「線香、お香を焚いて偲べばよい」と考える人もいるようです。今後、人々に仏壇が必要だと感じてもらうにはどうしたら良いのでしょうか????

● 大竹正信(匠楽 大竹仏壇製作所)
お仏壇は一生に一度のお買いものです。私は、主に、オーダーメード仏壇を制作しています。各宗派に合わせた仏画、お好みの花鳥、誕生花などの蒔絵を施し、世界(日本)でひとつしかないお仏壇を制作いたしております。今回出展の仏壇、70代金沢仏壇は、蒔絵に玉虫の羽を取り入れ、鳳凰図を描いた「鳳凰と玉虫の仏壇」となっております。30代次世代型金沢仏壇は、リビングなどにも合うよう、外観は現代的デザインとし、内観は、金沢仏壇の特徴である蒔絵を中心とした仕上げになっております。ミニ仏壇は、アパート、マンション、都市部向けに制作致しました。

● 定池隆志(定池水雲)
私は金沢仏壇の蒔絵師です。蒔絵以外にも、輪島で修得した技術を生かし、素地、塗り、蒔絵と一貫したもの作りをしています。その内の一つが乾漆厨子で、薄くても丈夫で歪みにくく自由な形が可能な乾漆技法を用いて制作しています。また、大きさや形などお好みのデザインでのオーダーメイドでもお作り致します。乾漆技法は、麻布を漆で張り重ねていく作業の繰り返しで、大変手間がかかりますが手を合わせる心に寄り添い、一つ一つ想いを込めて制作しています。

● 杉林孝幸(杉林仏壇金具)
仏壇は、家庭にあって御仏の大きな心に包まれ、先祖に感謝し、今日一日の無事安泰の感謝をする為、朝夕その前で手を合わせるものですから、心を込めて作業をしています。私の本職は金具製造ですが、今回展示の厨子は、趣味で仏像彫刻をしている人に「仏像を入れるものがほしい」と相談を受け、中の仏像が映える様に、見る人の視線が仏像に工夫として、装飾を省き、天井前面にLED照明を付け、拭き漆仕上げにしました。

● 塗師岡顕治(○常 塗師岡仏壇店)
前三方開仏壇を展示していますが、これは表戸と障子戸が一体型の仏壇です。私は金沢仏壇の道に入って48年になります。1471年、北陸においでた蓮如さんの仏教文化と加賀百万石の前田さんの武家文化を二親に金沢仏壇は生まれ育ってきました。その金沢仏壇に少しですが、携われる事をよろこびに感じます。今回、金沢仏壇の長期間の展示を行い、情報発信の機会をもてる事をありがたく思います。

● 塗師岡政秀(○政 塗師岡仏壇店)
昔から代々、受け継いだ「技」、技法などを様々用いた伝統工法で仕上げ(製作)した一品です。伝統工法を受け継ぎ、現代の住宅事情や居住空間の中にも違和感なく収まる仏壇を考慮し、製作いたしました。

● 林 利一(はやし仏壇店)
「伝統的工芸品金沢仏壇」は、室町時代の伝統を受け継ぎ、加賀藩主前田家の調度品製作の技法の流れを受け継いでおります。伝統と、技術の水準の高さを誇り、かつ上品な美しさをも兼ね備えています。この素晴らしい伝統と技術を先代より受け継いだ私共の彫刻の技術を持って、伝統を守りながら伝統現代感覚を取り入れ、お客さまにご満足いただけるお仏壇に仕上げる事が出来るようにと、日々技術の研鑽に取り組んでおります。

● 平岡髙夫 (平岡仏壇木地)
この厨子は、樹齢300年の欅の用材(長さ90cm、巾30cm)を板にして、柾目使用として作りました。ミニ仏壇としては、巾が狭いので厨子としました。工夫としては、厨子にはない、天井格入室、組物付、須弥壇付、引き出し付きとし、ホゾ組下段板屋根上 引き出し等、蟻組としました。須弥壇は、仏様を置く壇のことを言います。

● 三島純正(三島仏壇店)
三島仏壇店は、約100年前、先代の鉄三郎氏が蒔絵を始めて、後に金沢仏壇を製作しております。蒔絵とは日本独特の加飾技法であり、平安時代にはその技術が確立していたと伝えられています。大まかには、平蒔絵・研出蒔絵・高蒔絵の三つの技法に分けられ、螺鈿(らでん)・平文(ひょうぶん)・切金などとの応用技法も多く存在しています。当店では昔ながらの蒔絵を大切にしつつ、螺鈿を多用した仏壇、又、加賀友禅を取り入れた仏壇なども製作しております。

● 宮田宣義(宮田仏壇)
今回は2本の仏壇を出展させて頂きました。一つは従来の型の金沢仏壇(50代)です。昨今、簡素化されたものが多くなってくるなか、本来の金沢仏壇を作成しました。もう一つは、50代ほどなく、ミニほど小さくなく、豪華さがある仏壇を作成しました。今後ますます仏壇業界にとって厳しさが増していこうとしているなか、消費者の変化に合わせた品物作りに努力し、伝統の維持という事も考えながら、仕事に取り組まなければならない、まさに伝統と革新が大切な時代が来ているのではないしょうか?

● 山田泰造((有)山田仏具店)
江戸時代末期から明治時代初期にかけて加賀藩の御細工所の流れを汲む技術、技法の復刻と、形の調査をしました。未来に向けてのデザインという観点からと、何百年後にまで伝えたいという事で今回出展しました小型仏壇は、ホワイトオークの無垢材を使用し耐光性に優れた新しい製造技術による本漆を塗り、本金丸粉、ミガキ粉、梨地粉等で堅牢な蒔絵を施し、また金箔は日本産の箔押用漆による擦り漆で二枚重ね貼りとしてあります。

● 米永 章(㈱米永仏壇製作所)
近年、熟練した仏壇職人の高齢化や後継者不足が問題視されております。我が社では歴史ある伝統的工芸品「金沢仏壇」を絶やさぬよう、製作所に手工芸者の育成、技術向上に努めています。昔ながらの伝統を守りつつ、新しい物作りにも挑戦し、業界の発展にも携わっていきたいと思います。

2012.02.03 Traditional Art & Craft of Ishikawa

加賀毛針ー鮎との知恵比べが育んだ用の美ー

会 期:
2012年4月2日(月)- 2012年6月3日(日)
展示室:
2F 第3展示室
作品数:
約153点


工芸品の域にまで高まった加賀毛針は細かな工程を幾つも経て完成されます。 川虫を模した形状は、毎年少しずつモデルチェンジされていますが、この毛針をじっくりと見た事のある人は少ないでしょう。 この企画展では、毛針の制作工程に主眼を置いて、その道具等と共に加賀毛針の全体像を紹介します。

加賀毛針の歴史は古く、起源は定かではないが天保5年(1834年)には、すでに江戸でも名を知られていたといわれます。
当時、アユ釣りは万人に許されていたわけではなく、武士にだけ許されていたものだったので、アユ釣りを嗜む武士たちは、縫い針を自分で釣用に曲げて、毛をつけて、自分で毛針を作っていました。
江戸時代、幕府は、前田藩が力を蓄えないように厳しく監視しており、公に武道の稽古に励むことができませんでした。
そこで思い付いたのがアユ釣りです。 刀の代わりに釣り竿を上下に振る動作は、遊びの一部ですが、武士にとっては、岩場のある渓流を歩くのは、足腰の鍛錬になりました。
アユ釣りは、人間とアユの知恵比べであり、色とりどりの毛をつけることで、いかにアユを錯覚させるか。カゲロウや川虫に似せて、キジ、ヤマキジ、孔雀の羽や漆、箔、皮などを針につけていきます。前田藩の武士たちは、この釣りに独特の美意識を働かせていたのでした。

この企画展は、1575年に創業し、以来430年余の歴史を誇る加賀毛針の老舗「目細八郎兵衛商店」のご協力を頂き、毛針をじっくりと見て・知って頂く為の企画展です。

<第20代当主目細勇治さんからのメッセージ>

毎年6月16日に金沢を流れる犀川、浅野川には沢山の鮎を狙う太公望の姿が見られます。 この姿は昔から変わらない金沢の文化であり、まさに「趣都金澤」の言葉があてはまる風景です。この文化を将来に残すため、昔からの伝統技法を継承し、美しくクオリティーの高い毛針をこれからも作り続けてまいります。

<目細八郎兵衛商店の紹介>

目細八郎兵衛商店の伝統は、先祖代々加賀藩の御用商人として、縫い針の職人を営んでいた17代目当主が、鮎毛針を作るようになることに始まりました。
創業四百年余の歴史の中で、4000点もの種類を作ってきましたが、現在その総てを提供できるわけではありません。その年の鮎の状況を見て手を加え、復刻することも可能です。近年河川の濁りのためか、ラメなどを使った派手な毛針が好まれるようになりました。また野生動物保護から人工の素材を用いなければならないことも多く、鮎と人間の知恵比べも21世紀型になって来ています。

2012.03.29 Traditional Art & Craft of Ishikawa